営業・集客を強化したい更新 2026年8月4日

CRMとは?顧客情報を集約・活用する仕組みを解説

CRMは、顧客情報や対応履歴を組織で共有し、顧客との関係を継続的に良くするための考え方と仕組みです。単なる顧客名簿ではなく、営業、店舗、EC、サポート、マーケティングなどの接点を次の対応に活かします。

CRM顧客管理

要点

この記事で分かること

  • CRMは、顧客情報と接点の履歴を蓄積し、継続的な関係づくりに活かす考え方と仕組み
  • SFA・CRM・MAは、営業活動、顧客との関係、顧客への働きかけという中心的な役割が異なる
  • 導入前に顧客を理解するための情報と、情報を使って改善する業務を整理することが重要

CRMとは

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では顧客関係管理と呼ばれます。本来は、顧客を理解し、良い関係を継続するための考え方や活動を指します。一般には、その活動を支えるシステムもCRMと呼ばれています。

顧客情報が部署や担当者ごとに分かれていると、過去の問い合わせを知らずに同じ説明を求めたり、購入後の状況を踏まえずに案内したりすることがあります。CRMへ情報を集めることで、顧客とのこれまでの関係を踏まえて次の対応を判断しやすくなります。

顧客の基本情報を中心に、商談・購入、契約・会員、問い合わせ、利用履歴を一か所へ集約するCRMのイメージ
CRMでは、営業、店舗、EC、サポートなどで生まれる顧客との接点をまとめ、過去の経緯を踏まえて次の対応を考えられるようにします。
比較する点CRMを使わない場合の課題CRM導入後の変化
情報の所在顧客情報や対応履歴が、営業、店舗、EC、サポートなどに分散する基本情報、取引、問い合わせなどを顧客単位でまとめ、関係者が確認できる
顧客対応過去の経緯が分からず、同じ確認を繰り返したり案内が食い違ったりするこれまでの接点を踏まえ、担当部署が変わっても一貫した対応をしやすくなる
引き継ぎ担当者の異動や退職時に、顧客との関係や注意点が失われるやり取りや判断の経緯が残り、担当変更後も関係を継続しやすくなる
関係の維持購入後の利用状況や問い合わせを横断して見られず、必要なフォローに気づけない顧客の状況を捉え、継続利用、追加提案、解約防止などの行動を検討しやすくなる

BtoBとBtoCでの使われ方

CRMはBtoB・BtoCのどちらでも顧客との関係を管理するために使います。ただし、誰を顧客として管理するか、どの接点を記録するか、何の改善に使うかは異なります。

比較する点BtoBでのCRMBtoCでのCRM
顧客の単位企業を中心に、担当者、部署、商談、契約の関係を管理する個人や会員を中心に、購入、利用、問い合わせの履歴を管理する
主な接点営業活動、提案、契約、導入支援、問い合わせなど店舗、EC、アプリ、購入、配送、問い合わせなど
主な目的引き継ぎ、商談・契約の継続、追加提案、顧客対応の改善一貫した対応、再購入、利用継続、離反防止、顧客体験の改善
重視する点企業と複数の関係者をひもづけ、長い検討・契約履歴を残す複数チャネルの会員IDや同意情報を適切に統合・管理する

CRMでできること

搭載される機能は製品によって異なりますが、一般的なCRMは次のような顧客情報を扱います。大切なのは情報量ではなく、顧客を理解し、対応を改善するために使えることです。

  • 企業・担当者、個人顧客、会員、連絡先などの基本情報の管理
  • 商談、購入、契約、問い合わせなどの履歴の記録
  • メール、電話、面談、来店、Web・アプリなどの接点履歴の共有
  • 顧客の分類、利用状況、継続・解約などの状態管理
  • 顧客別の売上、対応件数、継続率などの集計
  • 営業、店舗、EC、マーケティング、顧客対応での情報共有

代表的なCRMツール

CRMは製品ごとに、対象とする企業規模、中心となる業務、設定の自由度、周辺機能が異なります。代表的なツールには次のようなものがあります。

  • Salesforce
  • HubSpot CRM
  • Microsoft Dynamics 365
  • Zoho CRM

CRMの導入が向いている状況

顧客数や関わる部署が増え、担当者の記憶や部署ごとの管理では顧客との関係を追いにくくなったときは、CRMを検討する余地があります。次のような状態が複数ある場合は、顧客情報の持ち方を見直す合図です。

  • 顧客情報や対応履歴が複数の部署・ファイル・システムに分散している
  • 担当者が変わると、過去の経緯や顧客ごとの注意点が分からなくなる
  • 営業、店舗、EC、顧客対応で見ている情報が異なり、案内の食い違いが起きている
  • 購入後の利用状況や問い合わせを、継続・追加提案に活かせていない
  • 顧客単位の売上や対応状況を集計するのに時間がかかる

導入を成功させるための進め方

最初に、顧客との接点がどの部署・業務にあるかを整理します。そのうえで、顧客対応、継続利用、追加提案など何を改善するために情報を使うのかを決め、必要な項目と更新する人を定めます。既存データは重複や表記揺れを確認し、移行する範囲を絞ります。

導入後は登録件数だけでなく、過去の経緯を踏まえた対応ができたか、引き継ぎが早くなったか、必要なフォローに気づけたかを確認します。顧客情報が日々の対応や判断に使われる状態をつくることが定着につながります。

よくある失敗

顧客情報を一か所に集めても、利用目的や更新責任が決まっていなければ、古い情報や重複データが増えていきます。また、入力すること自体を目的にすると、現場の負担だけが増え、顧客対応には活かされません。

顧客情報には個人情報や取引上の重要情報も含まれます。誰が何を閲覧・更新できるのか、どの情報をどの目的で利用するのかを明確にする必要があります。現在の管理方法で十分な場合は、無理にCRMを導入せず、既存の情報と運用を整える選択肢もあります。

まとめ

CRMは、顧客情報と接点の履歴を一か所に集め、顧客との関係を組織で理解し、より良い対応につなげるための考え方と仕組みです。BtoB・BtoCを問わず、顧客と接する部門が同じ経緯を確認できるため、案内の食い違いや引き継ぎ時の情報不足を減らしやすくなります。

一方で、情報を集めるだけでは顧客との関係は良くなりません。どの業務を改善するために何の情報を使うのかを決め、更新と活用を日々の業務へ組み込むことが重要です。既存の管理方法を整えれば十分なのか、CRMが必要なのかを見極めたうえで検討しましょう。

公開日
2026年8月4日
更新日
2026年8月4日